
こんにちは、ONLYPRODUCTS株式会社の代表、言美友宏です。
この記事では、「プロフェッショナルブランド」とは何かについて解説します。
2024年度、美容室の倒産件数は197件と過去最多を記録しました。人口減少、競争激化、価格競争の激化。美容室を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。
こうした状況の中で、美容室経営において今後ますます重要になるのがプロフェッショナルブランドを通した事業の構築です。
プロフェッショナルブランドがサロンにどのような価値をもたらすのか、そのメリットについても解説します。
この記事を読んで、あなたのサロンが生き残るための戦略と、その道筋が見えるはずです。ぜひ最後までご覧ください。
Contents
プロフェッショナルブランドとは
この記事でいうプロフェッショナルブランドとは、現場を1番熟知している、プロ美容師が創造するヘアケアブランドのことです。
美容師としての経験や知識を基にサロンの経営課題を解決する経営ノウハウとプロダクトをパッケージ化したサービスを立ち上げます。
カットやカラーといったサービスだけでは差別化が難しい現状を打破し、売上や生産性の向上、さらには美容室の人材の確保がしやすくなるのがメリットです。
そのため、技術力だけではなく、顧客への深い理解、一貫した価値提供、そして確固たる理念が一体となって形成されている必要があります。
「あの店なら間違いない」「あの店の商品は他の店にはないものがある」という確信を顧客に持ってもらえる存在。
それがプロフェッショナルブランドです。
なぜ今、美容室経営において「プロフェッショナルブランド」が重要なのか?
低価格サロンとの差別化、大手チェーンとの違い、そして独立系サロンとしての独自性。
これらを明確に打ち出し、「あなたのサロンだから選ぶ」というポジションを築くために、「プロフェッショナルブランド」は欠かせません。
2024年度、美容室の倒産件数は197件と過去最多を記録し、美容業界は今、大きな転換期を迎えています。
さらに、日本の総人口は前年より55万人減少し、美容室の数は全国で約27万件。
この数字は、単に競争が激しいだけでなく、市場環境そのものが厳しくなっていくことが予想されます。
こうした環境下で生き残り、さらに成長していくためには、「価格競争」ではなく「価値競争」へのシフトが不可欠です。
あなたの美容室や美容師としての価値を明確に示し、お客様にもそこで働く美容師にも選ばれ続けるための武器が「プロフェッショナルブランド」です。
美容室・サロン経営の継続ができていることにヒントがある
プロフェッショナルブランドは、すぐに築けるものではありません。一人美容室や地域の美容室がブランド展開すると言うイメージが湧かない人もいるでしょう。
しかし、すでに美容室の経営が継続できているサロンには、ブランド化するためのヒントが必ずあります。
- なぜお客様はリピートしてくれるのか?
- なぜスタッフは辞めずに働き続けてくれるのか?
- なぜ口コミで新規顧客が来店するのか?
今、美容室のメニューや大事にしていることなど美容師・美容室として表現していることがあるはずです。
その表現する先を変えるということに気づいてほしいと思っています。
今の現状を分析し、導き出される「なぜ」の答えこそが、あなたのサロンが持つプロフェッショナルブランドの種です。
それを意識的に育て、磨き、発信していくことで、確固たるブランドへと成長させられます。
ONLYPRODUCTSが考えるプロフェッショナルブランド戦略
こちらでは、僕が考えるプロフェッショナルブランド戦略について解説します。
他の美容師や美容室にない専門性を押し出していく
プロフェッショナルブランドの根幹には、何よりも「専門性」があります。
美容師としての技術力はもちろん、最新のトレンドへの理解、髪質や頭皮の知識、そして長年の経験から得た洞察力。
これらを総合的に形にした「そこにしかない提案」が、プロフェッショナルとしての価値を生み出します。
ただし、専門性は「持っているだけ」では意味がありません。
それを顧客に分かりやすく伝え、体感してもらい、「確かにプロだ」と納得してもらうプロセスが重要です。
カウンセリングでの的確な診断、施術中の丁寧な説明、アフターケアのアドバイス。こうした一つひとつの接点で専門性を発揮することが、ブランドの信頼性を高めます。
顧客志向と課題解決
プロフェッショナルブランドの本質は、「顧客の課題を解決すること」にあります。
美容室に来店されるお客様は、単に「髪を切りたい」だけではありません。
「この悩みを解決したい」「もっと素敵になりたい」「自分に自信を持ちたい」といった、深層的なニーズを持っています。
このニーズを捉え、技術とサービスで応えていく。そして、お客様が帰られる時には、来店前よりも明るい表情になっている。
この積み重ねを通して、プロフェッショナルブランドとしての存在意義が大きくなっていきます。
「こういう髪質の方には、こういう提案が効果的」「このライフスタイルの方には、このスタイルが最適」といった、経験に基づいた提案力こそが、真の信頼性を生み出します。
そのため、「お客様のために何ができるか」を常に考え、実践し続けるサロンこそが、長く愛される存在となるのです。
企業文化と社員の体現

事業の立ち上げの2割は社長が行うということを強く言いたいです。立ち上げの2割のゴールは、売上という結果が出るというところまでを指します。
プロフェッショナルブランドは、経営者一人では作れませんが、意思決定をするだけであとは組織に丸投げでも作れません。
導入店を開拓し、売上を立てようと行動している様を社長自ら行い、背中で見せる必要があります。
サロンの立ち上げを思い出すと、はじめは自分でやったはずです。
社長を含めた組織全体でプロフェッショナルブランド事業に取り組む美容室がうまくいっています。
一方で、一人美容室のオーナーでもはじめは一人で行動し、仲間が増えてからは社長が率先して行動し背中を見せて、成功している方もいらっしゃいます。
つまりはサロンの理念、大切にしている価値観、お客様への接し方、技術へのこだわりが組織文化として根付かせ、スタッフ全員に共有されていることがなによりも重要です。
スタッフ全員がブランドの価値を理解し、体現することで初めて、真のブランドになります。
「あのサロンのスタッフは、誰に担当してもらっても満足できる」という評判は、企業文化がしっかりと浸透している証です。
採用時からブランドの価値観を共有し、日々の業務の中で磨き上げていく。この積み重ねが、より強いプロフェッショナルブランドを作ります。
一貫したコミュニケーション
ブランドの価値を顧客に伝えるためには、一貫したコミュニケーションが不可欠です。
- サロンのWebサイト
- SNS
- 店内の雰囲気
- 接客のトーン
- 使用する言葉遣い
- 提供する情報
これらすべてが統一されたメッセージを発信していることが、ブランドの認知と理解を深めます。
例えば、「自然な美しさを引き出す」というコンセプトのサロンであれば、店内はナチュラルな雰囲気で、SNSでも自然体の美しさを訴求する投稿を行うなど。
さらには、ブランドの展開にはパッケージやパンフレットなどの制作物もブランドの世界観を伝えるための重要なコミュニケーションツールです。
このように、あらゆる接点で一貫性を保つことで、ブランドイメージがわかりやすくなります。
経験や実績を基にした信頼性と再現性を高めていく
このプロフェッショナルブランドで開発した商品は、美容室に来てくれるお客様への販売(BtoC)だけではなく、他の美容室に卸す(BtoB)こともできます。
そのため、ブランドの信頼性はBtoBにおいては特に、数字と実績によって裏打ちされていなければ展開していきません。
「デビュー1ヶ月で270万円プレイヤーを輩出」や「1時間1万円の客単価」といった客観的な情報は、他の美容室のオーナーには強い訴求力になります。
こういった実績を売り出していくためには、自身の一人美容師としての経験や美容室の経営経験が必要になってきます。
「どんなことをどのようにすれば実績を出せるのか」という経験を言語化し、他の美容師や美容室でも同じ結果が出せる“再現性のある仕組み”を作っていくことも重要です。
プロフェッショナルブランドが美容室にもたらすメリット
こちらでは、プロフェッショナルブランドが美容室にもたらすメリットを解説します。
高単価・高収益・高リピートの実現
まずプロフェッショナルブランドが確立される、一番大きなメリットは価格競争から脱却できると言う点です。
顧客は「安いから」ではなく「このサロンだから」「このスタイリストだから」という理由で来店するようになります。
結果として、適正な価格設定が可能になり、価格競争や顧客単価・売上に悩むこともなくなります。
と言うのも、ブランド価値が高まることで、単価の高いメニューや商品の販売もスムーズになるから。
「このサロンが勧めるなら間違いない」という信頼があれば、お客様は価格よりも価値を優先するようになるのです。
さらに、「他のサロンに行く理由がない」「ずっとこのサロンに通いたい」という強い愛着を持ってもらえることで、安定したリピート率も維持できます。
また、そうしたお客様は口コミとしてもお客様を広げてくれるため、新規顧客の獲得コストも削減できるというメリットもあります。
優秀な人材の獲得と定着
強いブランドは、優秀な人材を引き寄せます。
「あのサロンで働きたい」「あのチームの一員になりたい」という憧れを持たれるサロンには、志の高い美容師が集まります。
また、働くスタッフも、ブランドに誇りを持つことと他にはない活動ができることでモチベーションが高まり、定着率が向上します。
人材不足が深刻化する美容業界において、「選ばれるサロン」であることは、経営の安定性に直結する重要な要素です。
ここで重要なのは、ブランドの体現者になってくれる人材をしっかりとターゲティングするということです。
例えば、技術はもちろんだが、再現性に強みがある美容室なら、フルタイムで働けないママさん美容師を採用しよう。といった戦略があります。
安定した定期収入の獲得
プロフェッショナルブランドは、技術サービスだけでなく、商品販売の基盤にもなります。
サロンで使用している製品、ホームケア商品、オリジナルブランドの展開など、信頼されているからこそ、商品も売れるのです。
これにより、技術売上に加えて物販売上という安定した収益源を確保できます。
このプロフェッショナルブランドを立ち上げや支援をするのがONLYPRODUCTSが提供する「OEMBANK」です。
いきなり「ブランドを立ち上げるといってもハードルを感じる」という美容室さんには「mm.」という代理店ビジネスから始めることもおすすめしています。
他の美容室へ卸し(toB)を行うことで美容室の売上に依存しない新たな収入の柱を作ることも可能になります。
プロフェッショナルブランドは遠い存在ではない
ここまで読んで、「うちのような小さなサロンには無理だ」と思われた方もいるかもしれません。
しかし、プロフェッショナルブランドは、大手サロンだけのものではありません。
むしろ、個人サロンや小規模サロンこそ、独自のブランドを築きやすい強みがあります。
経営者の想いがダイレクトに反映される、顧客との距離が近い、柔軟な対応ができる。これらは小規模サロンならではの利点であり、ブランド構築の大きな武器になります。
大切なのは、「今あなたのサロンが持っている強み」を明確にし、磨き上げ、一貫して発信し続けること。そして、その強みを顧客の課題解決に活かし続けることです。
ONLYPRODUCTSは、プロダクトとマーケティングの力で、プロフェッショナルブランドを築くために必要なサポートをワンストップで行っています。
あなたのサロンも、今からプロフェッショナルブランドへの第一歩を踏み出してみませんか?
気になる方は以下のお問合せフォームやLINEからお気軽にお問い合わせください。