
こんにちは、言美友宏(ごんびともひろ)です。
この記事では、元美容師、現在は数多くのサロンの支援をしている私が、美容室経営者が持つべき具体的な「マインドセット」を解説します。
「技術さえあれば、お客様は付いてくる」 このマインドを持つ一人オーナーや美容師は多いです。
また、「現場に立てなくなった瞬間に、売上が止まってしまう」という不安を持つ方も多いです。
今抱えている悩みは、あなたが美容室の経営者として、「経営者としてのマインド」ができていないことに原因があるのかもしれません。
美容室の「寿命」は、カットの技術やスタイルのセンスだけで決まるのではありません。経営者としての「マインドセット」によることが往々にしてあります。
経営者マインドの中心は、労働集約型のモデルから脱却し、自分がいなくても利益を生む「仕組み」を構築する覚悟を持つこと。
この記事を参考に、明日からの美容室経営への向き合い方を変えるきっかけにしてください。
この記事は経営者のマインドを具体的に解説する記事です。
「経営者としてのマインドが無いとどうなるのか?」という点については以下の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
>>なぜ美容室経営はうまくいかない?職人思考オーナーが知らない6つの誤解
Contents
美容室の経営者によくあるマインド

美容業界には、長年「美徳」とされてきた特有の価値観があり、それは他の業界では間違いとされているものがあります。
美容業界特有の価値観や当たり前が、美容業界の低賃金・長時間労働などの原因になっています。
こちらでは、多くのオーナーが陥りがちな、4つのマインドセットを解説します。
技術至上主義(職人としての無駄なプライド)
技術至上主義というのは「技術が良ければ客は来る」・「技術を高めればお客様の満足度は上がる」という考え方のこと。
この考え方は職人としては尊く、技術向上に終わりはありませんが、経営者としては危険です。
しかし「お客様が求めている価値」と「自分の技術」がズレたまま、技術の追求に時間と資金を投じてしまうと悲惨です。
結果として、集客や仕組み作りが後回しになり、経営を圧迫してしまいます。
あなたのサロンに来てくれている常連客の方がいるのであれば、そこに強みが必ずあります。
まずは、その強みはなんなのか、どういう理由で来てくれているのかを把握するところから始めてください。
長く働き、稼ぎは二の次
「美容師は過酷なのが当たり前」「お客様のためなら自分の時間は削って当然」というマインドは、昔から続く悪しき伝統です。
経営者がこの考えを持っていると、スタッフにも同じ自己犠牲を強いることになります。
「稼げないけれどやりがいがあるからやっている・やらせている」という状態は、思考停止であり、生産性向上から逃げている証拠です。
適切な利益を上げなければ、スタッフや自身の給与を上げられません。
とはいえ、「とにかく客数を増やす・客単価を上げるためにサービスの質を高める」というだけでは、利益を上げにくいのが現状です。
利益が上がらないと、設備投資やプロダクトの開発もできないという現実に目を向ける必要があります。
売上の柱が「客数×単価」しかない(安易な店舗展開への逃避)
売上を上げようと考えたとき、「人を雇って客数を増やす」か「多店舗展開する」という選択肢しか持っていない方が多いです。
これは、人の労働なしには売上を上げられないモデルである、「労働集約型モデル」の延長線上でしかありません。
現場の美容師の気持ちがわかるからこそ言えるのは、「人を増やすことは、リスクとストレスを増やすことでもある」ということです。
多店舗展開するというのは、ただ単に、売上が膨張しているだけ。
そのため、なにか経営危機に直面した際、売上が下がっているのに人件費や固定費は出ていくという状態に陥るリスクがあります。
一方で、シャンプーやトリートメントの販売や、カラー剤の卸売というメーカー事業は、モノを設計し、流通の仕組みを整えれば、あとは自動で売れていきます。
ここで求められるのは、どれだけ資金を持っているのかということ。これは資本集約型モデルと言われ、時間に縛られない利益を上げる柱になります。
「法人」や「経営」という視点の欠如
店舗を「個人の延長」として捉え、公私の区別が曖昧なまま運営しているケースです。
節税や財務戦略、法務のリスク管理などを「難しいこと」として避け、どんぶり勘定でその場をしのぐだけでは、不測の事態が起きたときに一瞬で崩壊します。
「自分はハサミを持つ職人である前に、一企業の代表である」という自覚が持てていないのが、最もよくある、そして最も改善すべきマインドです。
今までのやり方を効率化するだけでなく、「どういうビジネスの形にすれば売上が上がるのか。」という視点も重要です。
人気のある職業であるため、技術を提供するサービスとしての価値はどうしても低くなってしまいます。
そこで、どうすれば高付加価値をつけていけるのかという視点を取り入れることが、美容業界をより良くしていくことにも繋がります。
美容室の経営者にあってはならないマインド

こちらでは、美容室の経営者にあってはならないマインドを解説します。
美容室経営において、一度染まってしまうと抜け出すのが難しく、かつ倒産しかねない致命的なマインドが4つあります。
多くの破綻したサロンを見てきましたが、その原因のほとんどは「技術不足」ではなく、これら4つのいずれかがきっかけの「信頼の崩壊」でした。
感情的な意思決定と行動
私が最も「経営者失格」だと考えるのが、その日の気分やスタッフの些細な言動によって判断を変えてしまうマインドです。
サロンワーク中、忙しさでイライラしてスタッフを怒鳴る、あるいは気に入らないことがあればルールを無視して独断で決める。
こうした「感情の垂れ流し」は、組織の心理的安全性を破壊します。 経営者が「予測不能な人間」であるとき、優秀なスタッフから順番に店を去っていきます。
また、値上げはお客様に申し訳ないというのも感情的な意思決定に含まれます。
料金の見直しに伴う値上げや、値上げの理由に相応しいサービス価値の提供から逃げているだけであることに他なりません。
結局、利益が薄く、疲弊して潰れたり、資金繰りが厳しく、その美容室を閉めたりすることになれば、結局は迷惑になります。
過度な完璧主義
「100点満点の準備ができないなら、やらないほうがマシだ」という考え方は、変化の激しい現代ではリスクでしかありません。
完璧主義は、単なる「失敗への恐怖」の裏返しに過ぎません。
特に、メーカー事業や代理店事業の支援をしていて、わからないからといって、なかなか先に進めないという方が一定数います。
また、メーカー事業においては成分やデザインにこだわりすぎて発売時期を逃したり、莫大な開発費をかけて回収不能に陥ったりするケースも。
経営に必要なのは、「60点でいいから最速で市場に出し、顧客の反応を見ながら修正していく」という軽やかさです。
短期的な利益追求(目先のキャッシュへの執着)
今月の売上が足りないからといって、強引な物販の押し売りをスタッフに命じたり、過度な割引で新規客を詰め込んだりするマインドです。
こうした「目先の1円」を追う行動は、長期的な「LTV(顧客生涯価値)」を確実に下げます。
信頼を売って現金を買う行為は、経営ではなく「信頼の切り売り」です。
真の経営者は、3年後、5年後のブランド価値を守るために、今日の利益をあえて捨てる勇気を持たねばなりません。
また、「長期間存続するために必要なことは何か」という視点を持って意思決定をしない限りは、マンネリ化やスタッフの離脱といった不利益を受け続けることになります。
高リスクのギャンブル
「ここに出店すれば一発逆転できる」「この最新の広告媒体を使えば売上が倍増する」といった、根拠のない意思決定は危険です。
特に美容師出身の経営者は、直感に頼る傾向が強いですが、「挑戦」と「ギャンブル」は別物。
挑戦は「失敗しても破滅しない範囲で新しいことを行うこと」です。一方、ギャンブルは根拠や運の要素が大きくなるため、失敗のリスクも高まります。
ギャンブルをしていると自覚していない方が多く、「いつかは逆転する」「いずれ成功する」という思考になっている時は要注意です。
撤退ラインを決めず、手元資金の大部分を不確実な投資に突っ込むのは、スタッフの生活をチップにした博打です。
確実なデータに基づき、「負けない戦い」を積み重ねることこそが、経営者の本来の仕事です。
美容室の経営者が持つべきマインド

経営者としての成功は、スキルの前に「心のあり方」で決まります。
こちらでは、私が多くの成功サロンを見てきた中で、共通して見出した本質的なマインドを解説します。
他人を責めず、常に自己責任の意識を持つ
経営をしていると、思い通りにいかないことの連続です。
その際、多くのオーナーは「今の若者は根性がない」「景気が悪い」「メーカーが値上げしたからだ」と、原因を外側に求めようとします。
しかし、経営をするなら、「起きたことのすべては自分の責任である」という潔い覚悟を持つべきです。
- スタッフが育たないのは、育つ仕組みを作っていない自分の責任
- 集客できないのは、市場のニーズを読み違えている自分の責任
- 手荒れが原因で離職が出るなら、肌に優しい自社プロダクトを用意していない自分の責任
一見すると厳しい考え方に見えますが、実はこれこそが「経営者が自由になれる唯一の思考法」です。
なぜなら、原因が「他人」や「環境」にあると考える限り、あなたには状況を変える力がありません。
しかし、原因が「自分」にあると考えれば、自分の行動次第で未来をコントロールできます。
「自分の何がこの結果を招いたのか?」と問い続ける姿勢が、店舗の改善スピードを劇的に加速させます。
小さく始め、経営者が率先する
新しい取り組みを始めるとき、多くの経営者は最初から「完成形」を目指し、スタッフに丸投げしてしまいがちです。
しかし、それでは現場は混乱し、失敗のリスクだけが膨らみます。
重要なのは、「小さくテストし、まずは背中を見せる」という姿勢です。
例えば、新しいヘアケアプロダクトを開発・導入する場合も、いきなりスタッフ全員に展開するのではなく、まずはマネージャークラスに展開するなど。
「こうすれば喜んでくださる」「こう話せば売れる」という勝ち筋を証明することで、スタッフは初めて本気でついてきます。
「口だけ出す経営者」にスタッフは動きません。
誰よりも先に挑戦し、泥臭く検証し、成功の道筋を細く作るのが、経営者の正しいリーダーシップのあり方です。
売上の柱を横展開する(ポートフォリオを作る)
多くの美容室経営が苦しいのは、売上の100%を「自分の、あるいはスタッフの労働時間」に依存しているからです。
病気や怪我、あるいは離職が発生した瞬間に売上がゼロになる構造は、経営としてはかなり不安定です。
カットやカラーという「サービス」に加え、私が最も推奨するのは「自社プロダクト(モノ)」による収益です。
店舗のこだわりや、現場で培った知見を凝縮したシャンプーやトリートメントは、顧客が自宅で使い続ける限り利益を生み出し続けます。
経営者の役割は、現場で馬車馬のように働くことではありません。
「自分が現場を離れても、複数の経路からキャッシュが流れ込み続ける仕組み」を作ること。
技術という目に見えない価値を、プロダクトという目に見える資産へ変換する「横の展開」こそが、あなたとスタッフの未来を守ります。
顧客目線とマーケティングの視点で物事を考える
マーケティングとは「セールスを不要にする仕組み作り」です。
「自分が作りたいもの」ではなく「市場が求めているものに形を変え、自分の強みを表現する。」 この市場が求めているものの調査と適切な売り方を設計するがマーケティングです。
美容師は「職人」であるがゆえに、「職人のエゴ」に陥りがち。
「このカット技法が素晴らしい」「この成分が最新だ」と思っていても、必ずしもお客様の悩みと合致しているとは限りません。
重要なのは、「顧客が本当は何に悩み、何を解決したくて、その対価としてお金を払うのか」を徹底的に言語化することです。
お客様は「カット」が欲しいのではなく、「翌朝の準備が楽になる時間」や「自信を持って鏡を見られる自分」を求めています。
適切な人に相談し、意見を取り入れる
美容室のオーナーは、店舗の中では絶対的な存在ですので、スタッフは顔色を伺って、本当の苦言を呈してくれることは少ないでしょう。
だからこそ、自分の思考の外側にある「客観的な視点」を取り入れる勇気が必要です。
似た環境にいる人からは現状維持の肯定しか得られないことが多いため、相談相手は、仲の良い同業者の経営者仲間だけでは不十分。
財務のプロ、異業種の経営者、あるいは私のような、「耳に痛い真実」を論理的に語れる存在を周囲に置くべきです。
相談の目的は、単に解決策をもらうことではありません。
プロが「何を基準に、どう判断しているのか」という思考の枠組みを学び、自分のマインドをアップデートする必要があります。
そのため、自身が少しレベルが高くて居心地が悪いと感じるような人に相談できるのが理想です。
常にポジティブなマインドを持つ
経営者のマインドは、思っている以上にスタッフや顧客に伝染します。経営者が不安げな顔をしていれば店全体が暗くなりますし、経営者が前向きであれば活気が出ます。
ここで言うポジティブさとは、単なる「楽観主義」ではありません。
「起きた出来事に対して、常に建設的な意味付けをする能力」のことです。
例えば、クレームが発生した際でも、「今のオペレーションの欠陥を教えてくれる貴重なデータだと捉え直すタイミングだと考えられます。
また、「どうすればできるのか」に思考をシフトさせるのも、重要です。
わからないからといって目を背けることをせず、ひとつずつ丁寧に対応することをおすすめします。
従業員に対して責任を持ち大切にする
多くのオーナーが「スタッフを大切にしている」と言いますが、その中身が単なる「仲の良さ」や「優しさ」に留まっているケースが少なくありません。
経営者としての本当の責任とは、スタッフの「人生の質」を向上させることにあります。
スタッフが仕事も生活も豊かになれる構造を作ることが、「大切にする」という行為です。
結局、危機が訪れた時など、美容室の雰囲気が悪くなると仲の良さや優しさはどこかにいってしまいます。
私が「プロダクトの展開」をすすめているのも、長時間労働の問題を解決し、高い生産性を持って長く美容師を続けられる環境を作るためです。
スタッフが「この店で働くことで、自分の価値が上がっている」と実感できれば、離職率は劇的に下がります。
美容室の経営者が身につけるべき具体的なスキル

こちらでは、美容室の経営者が身につけるべき具体的なスキルを解説します。
想いやビジョンを形にするためには、それを支える「技術」が必要です。美容師の技術と同様に、経営を継続させるための「経営技術」を習得しなければなりません。
金融・会計(財務)と法務の理解
広告宣伝費、水道光熱費、材料費などの販売管理費が売上に対して適切な比率であるかを常に監視する必要があります。
また、売上が上がり、組織が大きくなると、多くの経営者は現場の負担を減らそうと安易に採用を増やして解決しようとします。
しかし、仕組みがないまま人を増やすのは、管理コストだけが増大し、利益率を下げ、さらなるマネジメントのトラブルを招くだけです。
だからこそ、人を増やさずに収益を上げる「自社プロダクト」などの他の収益源を獲得する手段が、財務戦略上極めて重要です。
帳簿上の利益が出ていても、手元の現金がなくなれば黒字倒産するため、運転資金の借り入れを行う必要があります。
美容室の経営をするにあたって、運転資金を借入するのはハードルが高い一方で、プロダクト(モノ)を作る・売る事業なら運転資金は借入しやすいです。
また、雇用契約書、就業規則、プロダクト販売における薬機法を軽視してはいけません。
迅速な決断力と判断力
美容室の現場では「瞬時の判断」が求められますが、経営においてもそのスピード感は重要な問題です。
特に「やめる決断」ができない経営者が非常に多いのが現実です。
「いつか当たるはず」「ここまで投資したから」という執着は、経営を破綻させます。
効果のないメニュー、反応のない施策、特に成長の見込めない多店舗展開をずるずると続けるのは、決断の先送りです。
「やめること」は負けではなく、次の施策にリソースを集中させるための「戦略的撤退」です。
「このエリアで、この客層で」と決めて始めたモデルでも、市場が反応しなければ即座にビジネスモデルを組み替える必要があります。
店舗運営で行き詰まっているなら、自社プロダクト販売への注力や、専門サロンへの転換など、柔軟な「ピボット」を検討すべきです。
コミュニケーション・マネジメント能力
美容師出身の経営者は、もともと対人スキルが高く、スタッフとの距離を詰める能力に長けている方が多い傾向にあります。
しかし、売上が1億円、3億円とスケールしていくにつれ、その「個人の人間力」だけでは限界が訪れます。
オーナーの目が行き届き、直接の対話で組織を動かせるのは、売上3億円程度まで。
それ以上の5億、10億を目指すには、誰がやっても同じクオリティで成果が出る「仕組み(システム)」が必要です。
このステージで必要なコミュニケーション能力とは、店舗の判断基準や成功の再現性を「マニュアル」や「ITツール」として組織に入れることです。
マネジメントの究極のゴールは、「オーナーであるあなたがいなくても、現場が自律的に動き、顧客に価値を提供し続ける状態」を作ること。
人を増やす前に、まず「仕組み」を増やすという視点の切り替えが、3億円の壁を超えるためには重要です。
情報収集能力
SNSやネットで流れてくる情報は、誰かが加工した「2次情報」です。
真に価値がある情報は、自店の顧客から直接聞いた悩み(1次情報)や、美容業界の常識が通用しない「異業種」のビジネスモデルです。
普段のインプットはYouTubeなどの動画コンテンツを「自分の店ならどう応用できるか?」という問いを持ちながら視聴することをおすすめします。
例えば、「高級ホテルがホスピタリティをどう仕組み化しているのか」などを自店に翻訳して取り入れるか、という収集の質が問われます。
移動中や隙間時間に、経営、財務、マーケティングの基礎知識を浴び続けられる時代です。
また、心地よい仲間でなく、今の自分よりも数段上のステージにいる人、会うのが少し気遅れするような「負荷」を感じる相手との接点を意識的に作ってください。
その緊張感の中にこそ、動画や本では得られない「経営者の空気感」や「覚悟の重さ」を肌で感じるチャンスがあります。
営業とプレゼンテーションスキル
接客スキルと、経営に必要なプレゼン・営業スキルは似て非なるものです。
多くの美容室経営者は、良いものを作れば自然と売れると考え、自ら「売ること」や「価値を熱心に説明すること」を避けがちです。
「押し売りと思われたくない」という心理が働くからですが、致命的な逃げです。
「売る」とは、顧客の悩みを解決する手段を手渡す「貢献」そのもの。 自信を持って語らない商品は、誰にも届きません。
「何をするか(機能)」ばかりを説明していませんか? 情熱だけで人は動きませんし、数字だけでも人はワクワクしません。
重要なのは、「どう変わるか(ベネフィット)」です。
さらに、特に自社プロダクトを広めていく際には、「なぜこれを作ったのか」というストーリーも重要です。
美容室の経営者がマインドを保つために実践するべきこと

強固なマインドは、「習慣」によって作られます。
日々、現場のトラブルや数字のプレッシャーにさらされる経営者が、自分を律し、最高のパフォーマンスを維持するために実践すべきことを解説します。
事業のビジョンと目標をもつ
日々の忙しさに追われていると、経営者は「何のためにこの店を開いたのか」という原点を忘れ、ただ「目の前の予約を埋めること」が目的になってしまいます。
これではマインドは摩耗する一方です。
単なる「売上〇〇万円」といった数字の目標だけでなく、「スタッフはどんな表情で働き、お客様は自店をどう評価しているか」というビジョンを描いてください。
ビジョンは事あるごとに言葉にし、スタッフが「もうわかってるよ」と思うほど伝え続けるのがポイント。
ビジョンが見えれば、そこから逆算して、今月の、今日の目標を決めます。
できるだけ、売上いくらというよりも、「何をするか」という行動目標を立てること。というのも、売上は顧客や市場の状況などに左右されやすいものだからです。
例えば「3年後に自社プロダクトを全国展開する」という目標があれば、「お客様の悩みを必ず聞く」という発想が出ますし、この行動はスタッフやあなたがやるかやらないか次第です。
全員が同じ方向を向いているという確信が、あなたのマインドを安定させ、組織に一体感をもたらします。
運のコントロール
成功した経営者に話を聞くと、異口同音に「自分は運が良かった」と言います。
しかし、偶然を待っていたわけではなく、運を「確率」として捉え、自らの手でコントロールしようと努めた結果です。
運とは、挑戦の数に対して発生する確率的リターンです。
例えば、新商品を1つだけ作ってヒットを願うのは博打ですが、10個の小さなテストを繰り返せば、そのうちの1つが「運よく」当たる確率は劇的に上がります。
ただし、テストを繰り返し続けるのか、ピボットするのかは経営者の判断力が問われます。
もし、成功したとしても「自分の実力だ」と勘違いし、慢心してはいけません。
店が繁盛し、プロダクトが売れている時こそ、「これは運が良いだけではないか?」「今のやり方は本当に持続可能か?」と自問自答してください。
好調な時ほど自分の判断を疑い、謙虚な姿勢で顧客の悩みに向き合い続けることが、幸運を一時的なものではなく、継続的なものへと変えてくれます。
ビジネスモデルを俯瞰する
美容室経営者が持っている最大の問題は、自店のビジネスを「髪を切って対価をもらう」という単一のモデルでしか見ていないことです。
ビジネスを俯瞰するとは、「技術売上(フロー所得)」と「プロダクト売上(ストック収益)」の比率を分析し、労働集約型から知識・資産集約型へのシフトを設計すること。
今の売上は、スタッフの労働時間に100%依存していませんか? もしそうなら、それは「人を増やさなければ売上が上がらない」という限界のあるモデルです。
また、美容ビジネスは、お客様が来店している「1〜2時間」だけがビジネスではありません。
来店前のSNS、来店後のホームケア、次回来店までの1ヶ月間の中にある接点に、悩みを解決する情報提供が組み込まれているかを確認してみてください。
顧客が「本当に価値があるものにはお金を払いたい」と考えているなら、安売り競争ではなく、高単価を軸にしたモデルへピボットする決断ができますよね。
月次決算
日本の美容室経営者の約8割は個人事業主であり、その多くが「数字を見るのは1年に1回の確定申告(年末調整)の時だけ」という状況にあります。
しかし、1年前の数字を今さら見ても、それはすでに「終わったこと」であり、未来を変える力はありません。
現場に立っていると、「忙しかったから利益も出ているだろう」という感覚に陥りがちです。
しかし、月次決算でお金の増減をみると、実は資金繰りが悪化していたといった現実が見えることもあります。
経営を次のステージへ引き上げるなら、自分が誰に相談しているのかを理解しなければなりません。
金融(ファイナンス)に関係する相談者になるのは、税理士か公認会計士です。
税理士は、主に「過去」の数字を整理し、税務申告を正しく行うための、いわば「守り」です。
公認会計士は、企業の財務状況から「未来」を予測し、予算と実績のズレを管理する(予実管理)「攻め」の視点を持っています。
あなたが規模を拡大し、自社プロダクトなどで勝負したいのであれば、予実管理ができる公認会計士が不可欠です。
スタッフの経営者意識を求めるべきではない
「スタッフが同じ熱量で働いてくれない」「コスト意識を持ってくれない」と悩むのは、経営者の「甘え」であり、根本的な間違いです。
経営者は、借入を背負い、自分の人生のすべてを賭けて店を運営しています。
一方、スタッフは雇用契約に基づき、自分の技術と時間を提供して対価を得る立場です。背負っているリスクが100と0ほど違う人間に、同じ意識を持てというのは無理な話です。
スタッフに求めるべきは、目の前のお客様を幸せにし、技術を高めるという「プロとしての責任」です。
経営の数字(PLや資金繰り)をコントロールするのは、100%経営者の仕事です。
また、コスト意識については、スタッフが「自分の利益のために動いた結果、会社も潤う」という仕組みを作ることこそが、経営者の手腕です。
- 材料比率が下がれば自動的にスタッフに還元される給与体系
- プロダクトが1本売れるごとに、彼らの将来のキャリアにどうプラスになる
スタッフはあなたの「同志」であって「分身」ではありません。
スタッフを自分と同じ視点に立たせようと疲弊するのではなく、彼らがそれぞれの立場で最高のパフォーマンスを発揮できる「土俵」を整えること。
それが、真の意味でスタッフを大切にするということであり、経営者にしかできない唯一の仕事です。
マインドは経営の土台|その先の仕組み作りはご相談ください
美容師としての成功が「技術で顧客を魅了すること」なら、経営者としての成功は「独自のビジネスモデルで市場を変えること」です。
あなたが現場の前に立ち続けなければ止まってしまう収益は、ビジネスではなく「高度な自営業」に過ぎません。
自社プロダクトという資産を構築し、システムで売上を作る「仕組み」こそが、あなたとスタッフを時間的・経済的余裕を持つ唯一の解です。
「美容師は現場で燃え尽きるまで働くもの」という固定観念を、考え直してください。
経営のマインドを整え、圧倒的な収益性と自由を両立させることが、業界全体の価値を高めることにつながります。
ONLY PRODUCS株式会社は「OEM BANK」と「mm.」という2つのサービスを軸に、美容室の新たな収益の柱を作ることをサポートしています。
その過程で必要な、マインドセットはもちろん、金融の知識やマーケティングなど、幅広い知識を提供いたします。
少し気になるという方はぜひお気軽に以下の問い合わせフォームまたは、右下のLINEからお問い合わせください。