
こんにちは、ONLYPRODUCTS株式会社の言美友宏です。
この記事では、美容室の時間単価を上げる方法を「事業・ビジネスモデル軸」、「売上軸」、「効率化軸」、「安定化軸」という4つの軸から解説します。
中毒価値とは〜〜ブランドの依存度を高めること。
中でも事業・ビジネスモデル軸は美容師や美容室オーナーは知らない方が多いです。そのため、この軸は取り組めば他の美容室との差別化を図りやすく、かつ時間単価も劇的に改善します。
この記事を読めば時間単価の上げ方を網羅的に理解できるため、美容室ビジネスの限界を突破するきっかけになります。
時間単価の改善策に悩む美容室オーナーやひとり美容師が、持続的な成長を実現するヒントを盛り込みましたので、ぜひ参考にしてください。
Contents
時間単価アップのための「4つの軸」
美容室の「時間単価」アップは、売上と提供時間のバランスを改善する経営戦略の核心です。以下の4つの軸で多角的にアプローチします。
| 時間単価アップのための「4つの軸」 | 実施すべきアクション |
|---|---|
| 事業・ビジネスモデル軸 | ・自社で商品を開発しメーカーになる ・技術・ノウハウの販売・情報提供 ・施術スペースを異業種に貸し出す |
| 売上軸 | ・メニュー構成の見直しと高付加価値化 ・モノと技術を強化 ・店販(商品販売)の強化 |
| 効率化軸 | ・技術のスピードアップ ・カウンセリングの効率化 ・スタッフとの連携強化(複数人体制の場合) |
| 安定化軸 | ・次回予約(再来予約)の仕組み化 ・顧客満足度を高める ・システムを導入しミスのない顧客管理 |
僕が一番美容室のオーナーにやってもらいたいのは事業を立ち上げるということ。
商品のメーカー事業や、オンラインでの美容商材販売など、施術時間外でも売上を増やすことで、全体の時間単価向上させられます。
メーカー事業は今は一人美容室のオーナーでもできるものの、「自分は関係ない」と思っているオーナーが多いのが現状です。
そのほか、美容室自体の改善については、メニューや業務内容を見直すことで無駄を省きつつ時間単価をアップさせる考えです。
あとは、質の高いサービスや接客、きめ細やかなフォローで顧客満足度を向上させ、継続的な来店を促します。安定した顧客基盤は、時間単価を支える土台となります。
【事業軸】美容師の仕事だけに留まらない事業を作る方法
美容師の仕事にとどまらない「事業の柱」を増やすことは、時間単価への依存度を減らし、収益の多様化と安定化に大きく貢献します。
提示された3つの軸について詳しく解説します。
自社で商品を開発しメーカーになる
メーカーとして自社商品を開発・製造することで、仕入れコストを抑え、市販品や他社店販品を売るよりも高い利益率を確保できます。
ただし、ECでの販売や自分のブランドじゃないものを売ると失敗するリスクが高くなるため、要注意です。
実際にECで大手メーカーの商品を仕入れて販売して失敗した美容室さんを多く見てきました。
開発するべき商品はお客様のニーズやコンセプトを反映したシャンプー、トリートメントなどのプロフェッショナルブランドと言われるモノです。
プロフェッショナルブランド商品を美容室に卸すビジネスにより、売上を立てるチャネルが増える上に単価も大きくなります。
技術・ノウハウの販売・情報提供
プロフェッショナルブランド商品と店舗運営ノウハウをセットにして、他サロンへ卸売をすれば、施術時間外の新たな収益源が生まれます。
この卸売の仕組みを整えておけば、独立していく美容師も商品と店舗の運営ノウハウを使って売上を立てやすくなります。
ブランド商品を卸せば、独立した美容師の売上を補填できるため、積極的に独立を応援できるというのもメリットです。
この仕組みはいわばフランチャイズモデルですが、美容業界でよくあるフランチャイズとは異なるモデルです。
こちらで紹介しているフランチャイズモデルについては、以下の記事でも詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
>>40代の美容師「労働集約型」からの脱却!「資産収益型」へ変革する新しいフランチャイズのカタチとは?
施術スペースを異業種に貸し出す
休店時間や使っていないスペースを有効活用し、固定費を回収しつつ、新たな顧客接点を作る方法です。
最も一般的な方法には、面貸し(シェアサロン)がありますね。
フリーの美容師に席やセット面を貸したり、営業終了後や定休日にネイル、エステなど、異業種の事業者へスペースを貸したりします。
スペースを貸した事業者を通じて、普段来店しない層に自店の存在を知ってもらうことができるため、新たな顧客獲得の機会につながる可能性も。
ただし、サロンの雰囲気やブランドイメージを損なわないよう、貸し出し先の選定は重要です。
【売上軸】客単価を上げる方法
美容室の客単価アップは、経営の効率化と収益性の向上に直結する重要な施策です。そこでしかできない体験価値と、そこでしか買えないモノを扱っていることが客単価を上げる。
こちらでは、お客様一人当たりの単価を向上させるための3つの方法を解説します。
メニュー構成の見直しと高付加価値化
カットやカラーなどの基本メニューに加え、高付加価値なトリートメントやヘッドスパなどを組み合わせたセットメニューを作成します。
価格帯を「松(最高級)」「竹(主力)」「梅(標準)」の3段階で用意し、誘導したい主力メニュー(竹)が魅力的に見えるよう設計します。
| メニューグレード | サービス内容 | 推奨価格帯 |
|---|---|---|
| 松 | ・全要素統合 ・高付加価値トリートメントケア | 20,000円~ |
| 竹 | ・コアサービス ・満足度を高めるオプション | 13,000円~ |
| 梅 | ・カット ・基本サービス | 10,000円以下 |
「松メニュー」では髪質改善トリートメントや高単価なカラーなど、他店では体験できないような専門性の高いメニューを導入します。
また、お客様の髪や頭皮の悩みに合わせた短時間かつ高利益率のオプションを提案し、アシスタントでもできるメニューの提案もおすすめです。
ただし、単に価格を上げるのではなく、お客様に「この金額を払う価値がある」と納得してもらえるよう、付加価値を持たせないと意味がありません。
モノと技術を強化
スタッフ全員のカット、カラー、パーマなどの技術レベルを均一かつ、仕上がりのクオリティを保証できる状態が理想です。
また、最新のシステムや、機器などを導入し、お客様が「ここに来れば間違いない」と思ってくれる状態にしておけば、値上げに対する抵抗感がなくなります。
モノと技術を強化する際には以下のポイントを押さえておきたいです。
押さえておきたいポイント
- 簡単で誰でもできて、失敗しない仕組みづくりができている
- お客様にインパクトのあるものになっている
技術の強化を技術力の高さにおいてしまうと、教育、習得に時間がかかりすぎます。そのため、スタッフの技術に依存しないメニューを打ち出す必要があります。
OEM BANKでは、このポイントを押さえた店舗運営のサポートも行っておりますので、気になる方はぜひお気軽にご相談ください。
店販(商品販売)の強化
施術時間外の収益源となる店販を強化することは、客単価アップの即効性が高く、リピートにもつながります。
とはいえ、店販は取り扱うオーナーやスタッフが心からおすすめしたいと思えるかどうかも重要なポイントです。
そのためにも、現場の感覚やお客様のニーズをとらえた商品を開発しないとうまくいきません。
「お客様の悩みを解決する本当に必要な商品」を提案するためにも、サロンメニューと一貫性のある店販商品が必要です。
メーカーの商品では、そこにしかない体験価値が弱まってしまうため、弊社ではプロフェッショナルブランド商品を企画・製造することをおすすめしています。
【効率化軸】施術時間を短縮し「密度」を高める方法
客単価を高めると同時に時間単価(生産性)を向上させるためには、施術時間の「密度」を高めることが不可欠です。
これは、無駄な時間を徹底的に排除し、お客様に提供する価値を短時間で最大化することを意味します。
技術のスピードアップ
施術の品質を落とさずに、作業効率を上げるための取り組みです。
カット、カラー塗布、シャンプーなどのルーティン作業全体を細かく分析し、動線や動作のムダをなくします。
たとえば、ハサミやコームの持ち替えの反復訓練やタイムトライアルを実施するのもおすすめです。特に時間を要するカラー塗布やブローなどの技術で、効率的な手の動かし方を習得させます。
高性能なドライヤー、短時間で染まるカラー剤、使いやすいハサミなど、時短に貢献するツールを積極的に導入するのも効果的です。
薬剤を取りに行く回数などを減らすためにも、備品の設置場所の変更も検討してみてください。
カウンセリングの効率化
初めてのお客様には、Webでの事前問診票の記入を促すのも有効です。
リピートされたお客様には、予約時や来店前に、来店履歴、施術データ、好みなどを把握しておき事前に提案の方向性を固めておきます。
また、カウンセリングのプロセスをテンプレート化し、必要な情報を漏れなく、かつ短時間で確認できるようにしておくことが基本です。
基本に加えてカウンセリングで重要なのは、実際のカウンセリングとお客様のイメージするカウンセリングのギャップをなくすこと。
カウンセリングにおいては、普通のカウンセリングにプラスアルファする提案が必要です。プラスアルファでできる提案をいくつかのパターン用意しておきましょう。
スタッフとの連携強化(複数人体制の場合)
シャンプー、カラー塗布、ドライヤーなどの作業をアシスタントに任せ、スタイリストはカットや最終仕上げに集中できる体制を構築することが重要です。
「次は何をするか」「どの薬剤を使うか」といった情報を、スタッフ間で常に共有し、無駄な時間をゼロに近づけます。
また、トリートメントをお客様に提案し、この施術は新人に任せることで早い段階から新人が売上を立てるポイントも設計。
スタッフの連携を見直し、それぞれの配置で売上を立てられるポイントを設計することで、サロンメンバー全員の稼働率を高められます。
【安定化軸】リピート率を高め、安定した基盤を作る方法
安定した経営基盤を築く上で最も重要な要素がリピート率(再来店率)の向上です。
こちらでは、新規集客コストを抑え、長期的な収益を確保するための3つの方法を解説します。
次回予約(再来予約)の仕組み化
お客様の「次回の予約」を帰る前に確定させることは、リピートの確実性を高め、売上予測の安定につながります。
「来店周期(例:カラーは6週間、カットは8週間など)」を、お客様の髪の状態を根拠に具体的に伝えることで、納得感がでます。
また、年末年始や繁忙期などは予約の取りづらさを伝えつつ次回予約を取ってもらうことも重要です。予約を取れないことでお客様も安心できるため、満足度も上がります。
顧客満足度を高める
価格以上の価値と体験を提供するためにも、施術内容だけでなく前回話したお客様の情報もカルテに記録しておきます。
また、アンケートや口コミを通じてお客様からの率直な意見を定期的に収集し、サービスや技術の改善に活かすことも行ってください。
お客様の声を反映する姿勢自体が、満足度を高められます。
また、次回予約を確定したお客様に対しては、次回割引や無料のメニューなど、メリットとなる特典を提供するのも効果的です。
システムを導入しミスのない顧客管理
紙のカルテではなく、POSシステムや顧客管理ソフトなら、以下の情報を全てデジタルで一元管理できます。
| システムで管理できる顧客情報 |
|---|
| ・来店頻度 ・最終来店日 ・施術履歴 ・使用薬剤のレシピ ・購入商品 ・会話の内容 ・アレルギー情報など |
デジタルなツールを活用し、お客様の情報を一元管理することで、サービスの質を安定させ、販促活動を効率化します。
顧客データを分析し、休眠顧客や来店周期が過ぎたお客様に対し、自動で再来店を促すメッセージやクーポンを配信することも可能。
ターゲットを絞ったメッセージは、一斉送信よりも開封率と効果が高まります。
また、プロフェッショナルブランド事業の立ち上げやマーケティングをするためにも顧客データは重要になってきます。
美容室の限界を突破するには事業を立ち上げるべき
美容室が既存のビジネスモデルの限界を突破し、持続的な成長を遂げるためには、新規事業の立ち上げが不可欠です。
美容室が事業を立ち上げべきと言うのは、「他の美容室に商品を卸すBtoBの事業」かつ「美容師だからこそ作れる商品」があるから。
こちらでは、美容師だからこそ作れるプロフェッショナルブランドの事業を立ち上げるメリットを解説します。
利益率の向上と価格競争から脱却できる
美容室のメイン収益源である「施術」は、人件費と家賃が大きくかかるため、利益率が圧迫されがちです。
一方でプロフェッショナルブランド商品は、一度開発してしまえば、施術のように時間をかけることなく、全体の粗利益率が向上します。
また、そこでしかできない独自の体験価値を持たせることで、他店では得られない価値に対して対価を支払うため、高単価を維持しやすくなります。
顧客との関係強化とブランド力が向上する
自社開発したシャンプーやトリートメントを購入して使用してもらうことで、お客様は来店していない自宅での時間もサロンのブランドに触れます。
新規事業は、お客様との接点を「来店時のみ」から「日常」へと広げ、ブランドへのロイヤルティを高めます。
また、高いブランド力は、「質の高い技術を持っている」という信頼感となり、集客や客単価アップにも貢献。
ブランドをもとにした店舗の運営ノウハウも提供することで、売上を上げられます。そのためにも、ブランドを基にした店舗運営の再現性は重要なポイントです。
「労働集約」からの脱却できる
美容室は、スタイリストの「時間」と「労働力」に売上が比例する労働集約型ビジネスです。
オーナーやスタッフの施術時間に依存する構造が、売上の上限が決まってしまいます。
一方、メーカー事業は、オーナーが直接手を動かさなくても売上が生まれる「資本集約型」や「知識集約型」のビジネスです。
オーナーが寝ている間も収益が発生し、売上と労働時間の関係がなくなります。
さらに、スタッフの離職などによる店舗稼働率の低下リスクを分散できるため、売上が安定した経営が可能です。
事業の立ち上げるイメージが湧かない方はOEM BANKへ!
時間単価アップには「事業・ビジネスモデル軸」「売上軸」「効率化軸」「安定化軸」の4つの軸があります。
メニューの高付加価値化、技術・店販の強化、施術時間の短縮、リピート施策など、多角的かつ網羅的な対策が必要です。
特にプロフェッショナルブランドの開発によるメーカー事業の立ち上げをすれば、時間単価アップのセンターピンになります。
センターピンとは
ボーリングで一番前に立つ真ん中のピンのことから転じて、物事を進める上で最も大きな影響を与える本質的なポイントや、最重要要素を指す言葉として使われる。
施術時間外の収益源を確保することで、労働集約型から脱却し、差別化と時間単価の劇的改善が可能です。
OEMBANKでは、プロフェッショナルブランドの企画・製造から、ファイナンス、出口戦略に至るまで、美容室経営者が抱える悩みの解決をトータルサポートします。
気になる方はぜひ以下の問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください!