
こんにちは、言美友宏(ゴンビトモヒロ)です。この記事では、美容室・サロンのマーケティングについて詳しく解説します。
「美容室の売上に限界を感じる」「どうやって売上を上げればいいの?」と思われる方に向けて、売上アップに必要なマーケティング施策がわかります。
また、美容室やサロンの経営はどういったビジネスなのかを理解いただき、ビジネス全体を変革するポイントも併せて紹介します。
最近売り上げに困っている経営者やオーナーさん、マーケティングも担当している店長・マネージャーさんは、ぜひ参考にしてください。
Contents
美容室・サロンのマーケティング戦略の流れ
美容室やサロンのマーケティングには、3C分析や4P分析と言われる手法も有効ですが、かなり専門的なため、やっても効果を実感できないことも。
3C分析・4P分析とは
3C分析とは、「Customer(顧客)」、「Competitor(競合)」、「Company(自社)」の3つの視点から分析する手法です。マーケティング戦略の立案や事業計画の作成の際に用いられます。
4P分析とは、「Product(商品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(販売促進)」の4つの視点から分析する手法です。自社の立ち位置や、強みを分析する際に用いられます。
こちらでは、押さえておきたいマーケティング戦略を解説します。
マーケティング戦略における手法はすぐに結果が出るわけではありません。1年以上の継続したブラッシュアップが必要ですので、コツコツと積み上げていきましょう。
1.無駄を排除するためのターゲット設定
美容室・サロンのマーケティング戦略において、まずがターゲット層を決めることは重要な行程です。
ターゲットに関係のないニーズや悩みを考えなくて済むため、顧客の満足度を高め、リピーターの獲得につながります。結果として、効果の薄いコストの削減にも。
ターゲットを明確にしないと、メッセージやサービスが刺さらなくなるだけでなく、ターゲットにしたい層も取りこぼすことになるという点は押さえておきましょう。
ターゲットの決める際には、以下のポイントを押さえて、必要なデータを集めてください。
ターゲットの設定方法 | ポイント |
---|---|
顧客層の分析 | ・年齢、性別、職業、収入、ライフスタイルなどの顧客データを収集する ・自店の主な顧客層を把握する |
ペルソナの設定 | ・具体的なペルソナ(顧客像)を設定する ・最大3名までのペルソナに絞る ・その人物のニーズや悩みを検討する |
市場調査 | ・競合店のターゲット層や市場のニーズを調査する ・自店が狙うべきターゲット層を明確にします |
2.顧客のニーズをつかむためのキーワード・競合分析

ターゲットが設定できれば、検索キーワードにどんなものがあるのかを調査ツールを使って調査してください。
Googleが提供しているツールなら無料で利用できます。実際に検索されているキーワードが出てくるため、顧客が何を求めているのか、どのような悩みを抱えているのかを理解できます。
ターゲットが検索していそうなキーワードから、メニューやサービスの開発を行うか検討材料にしてください。
また、競合やターゲットの被っている他社がどのような戦略を取っているのかを分析することで、自社が取り組めていない施策を考えられます。
分析方法 | ポイント |
---|---|
Web上の検索ワードの分析 | 検索ボリュームや関連キーワードといった顕在層のキーワードを調査できます。 【使用ツール】 ・Googleキーワードプランナー ・Googleトレンド ・ラッコキーワード |
競合サイトの分析 | 競合がどのようなキーワードを獲得しているか・戦略をとっているのかを分析できます。 【使用ツール】 ・ラッコキーワード ・ネット検索 |
SNSでのキーワード分析 | ・InstagramやX(旧Twitter)などのSNSでハッシュタグを分析します。 ・トレンドや顧客の関心を把握できます。 |
検索キーワードをピックアップしたら、サジェストキーワードも調査することをおすすめします。
サジェストキーワードとは、Googleなどの検索エンジンでキーワードを入力した際に表示されるキーワードのことです。サジェストキーワードを考慮すれば、顧客の検索意図が深く知れます。
3.売上アップのための独自の強み分析
美容室・サロンのマーケティング戦略において、最も重要なのが、この独自の強みをより深く理解することです。
今までは、美容の大手メーカーが発信するメニューから、美容室のメニューを作ることが強みとなっていました。しかし、現在は大手メーカーのメニューが拡がっており、強みが強みになっていません。
今後は、その美容室にしかない強みを打ち出し、その美容室にしかない体験価値を作ることが求められています。
美容室の強みの捉え方として、「そこでしか体験できないことは何か」ということを軸に以下のポイントに強みはないかを考えるようにしてみてください。
分析箇所 | ポイント |
---|---|
サービス | ・そこでしかできない独自のメニューと体験があるかどうか ・丁寧なカウンセリング、きめ細やかな接客、リラックスできる空間かどうか ・個室、ドリンクサービスなど、付加価値があるかどうか |
技術力 | ・特定のヘアスタイル、カラーリング、パーマ技術に特化している、など ・髪質改善、育毛、ヘッドスパなどの専門的な知識や技術がある、など |
コンセプト | ・特定の年齢層、ライフスタイル、趣味嗜好に特化しているかどうか ・オーガニックなど、コンセプトが明確かどうか |
その他 | ・使用する薬剤、ヘアケア商品、内装にこだわりを持っているかどうか ・地域密着型で、顧客との信頼関係を築いているかどうか |
これといった強みがわからない方は、実際に通ってくれている顧客にヒアリングしてみましょう。それだけでなく、「人」「モノ」「サービス」「場所」の観点で強みを探ってみることもおすすめです。
強みがそれでも見つからないという美容室は、どういう強みがあれば体験価値が向上するのかを考え、強みを作り出すという作業が必要になってきます。
4.マーケティング施策をピックアップし、実行する
マーケティング戦略は、オンラインでの情報収集から来店、その後の関係維持まで、顧客の行動全体を考慮して立てる必要があります。
マーケティング施策は活用する目的や顧客のいる段階によってどの施策を使うかが変わってきます。そのため、それぞれが担う目的やポイントを理解しておいてください。
マーケティング施策は、以下の表にまとめました。また、マーケティング施策の目的やポイントについては、以下の章で詳しく解説しているので、そちらも参考にしてください。
オフライン | オンライン |
---|---|
・外観・看板 ・チラシ・ポスティング ・紹介 ・DM(ダイレクトメール) ・地域広告・フリーペーパー広告 | ・美容室予約サイトへの掲載 ・Web広告 ・Google Map ・SNS ・LINE・メルマガ ・オウンドメディア |
施策を試す際は、小規模なテストから始め、徐々に拡大するのが重要。一気に進めてしまうと失敗するリスクが高まります。
スタッフに戦略の目的や重要性を共有し、一体となって取り組む体制になっていくことを意識して進めてください。
美容室・サロンのマーケティング施策
こちらでは、美容室・サロンのマーケティング施策について解説します。それぞれの施策の目的とポインとを抑えておいてください。
オフラインの施策
美容室・サロンの商圏は半径2kmです。オフラインマーケティング施策は、半径2kmの商圏内の方と接点を持ち、信頼関係を築くための役割を果たします。
以下に、各施策の具体的な内容と効果についてまとめましたので参考にしてください。
施策 | 目的 | ポイント |
---|---|---|
外観・看板 | ・新規顧客の来店促進 ・店舗のイメージ向上 ・競合との差別化 ・店舗の存在をアピールする | ・店舗のコンセプトやターゲット層に合わせる ・清潔感があり、入りやすい雰囲気を作る ・メニューや料金を分かりやすく表示する ・夜間でも目立つように、照明を工夫する |
チラシ・ポスティング | ・地域住民への認知度向上 ・新規顧客の獲得 ・キャンペーンの告知 | ・ターゲット層に合わせたデザインや内容にする ・クーポンや特典を付ける ・配布エリアや配布方法を工夫する ・新聞折り込みや街頭配布も検討する |
紹介 | ・新規顧客の獲得 ・顧客満足度の向上 ・リピーターの増加 | ・紹介者と紹介された人に特典を付ける ・紹介カードや紹介キャンペーンを実施する ・顧客満足度を高め、紹介しやすい環境を作る ・口コミを書いてもらう |
DM(ダイレクトメール) | ・リピーターの増加 ・固定客の囲い込み ・顧客満足度の向上 ・顧客との関係性強化 | ・顧客の来店履歴や好みに合わせた内容に合わせる ・誕生日や記念日などに合わせて送る ・限定クーポンを付ける ・オンラインと組み合わせる |
地域広告・フリーペーパー | ・地域住民への認知度向上 ・新規顧客の獲得 ・店舗の信頼性向上 | ・ターゲット層に合った媒体を選ぶ ・店舗の強みや特徴を分かりやすく伝える ・お得なクーポンや特典を付ける ・写真やイラストを効果的に使用する |
オフラインのマーケティング施策は、オンラインの施策と組み合わせることで、より高い効果が期待できます。
オフライン施策を効果的に組み合わせれば、地域に根ざした美容室・サロンの集客力向上と、顧客との信頼関係構築に繋がります。
オンラインの施策
オンラインの施策は効果測定がしやすいというのが特徴です。一方、常に最新のトレンドを把握し、柔軟に対応することが求められるため、スタッフさんの負担が大きくなりがち。
以下に、各施策の具体的な内容と効果についてまとめましたので参考にしてください。
施策 | 目的 | ポイント |
---|---|---|
美容室予約サイトへの掲載 | ・新規顧客の獲得 ・オンライン予約の促進 ・店舗の認知度向上 | ・写真や口コミを充実させ、店舗の魅力を最大限にアピールする ・お得なクーポンやキャンペーン情報を掲載し、来店を促す ・予約管理システムと連携させ、効率化する |
Web広告 | ・新規顧客の獲得 ・特定の層へのアプローチ ・短期間での集客効果 | ・Google広告やSNS広告を活用し、ターゲット層に合わせた広告を配信する ・魅力的な画像や動画を使用し、ユーザーの興味を引く ・広告効果を測定し、改善を繰り返す |
Googleマップ(MEO) | ・地域住民への認知度向上 ・来店意欲の高いユーザーへのアプローチ ・店舗の信頼性向上 | ・正確な店舗情報を掲載する ・口コミを積極的に集め、返信する ・写真や動画を投稿し、店舗の雰囲気を伝える |
SNS | ・視覚的な訴求 ・若い世代へのアプローチ ・店舗のブランディング ・顧客との関係・信頼向上 | ・ヘアスタイルや施術事例を投稿する ・キャンペーン情報やお得な情報を発信する ・顧客からのコメントやDMに積極的に返信する |
LINE・メルマガ | ・リピーターの増加 ・顧客満足度の向上 ・顧客との関係性強化 | ・クーポンやキャンペーン情報を配信する ・顧客の誕生日や記念日に、特別なメッセージを送る ・顧客の来店履歴や好みに合わせた情報を配信する |
オウンドメディア(SEO) | ・顧客の信頼を獲得 ・店舗の専門性向上 ・SEO効果による集客 ・顧客との信頼関係構築 | ・ヘアケアやスタイリングに関する記事を定期的に投稿する ・SNSやLINEでは伝えきれない情報を発信する ・顧客の悩みを解決する情報を提供する ・店舗の強みや特徴をアピールする |
どの媒体であっても効果や成果を数値で確認できるため、増やせば増やすほど、チェックする項目とそれにかかる時間が増えてしまいます。
なるべくスタッフさんの負担にならないよう、オペレーションも含めて検討し、できる限りの改善を繰り返すようにしてください。
再来店(リピート)率を上げるための施策
美容室に初訪問した方が再来するかどうかで抑えておかないといけないのは、カウンセリングで50%、仕上がりが20%、接客が30%で決まるということ。
つまり、カウンセリングの段階で、いかに担当する美容師さんのファンになってもらえるかを考えることが、リピート率を上げるには重要です。
そのほか、美容室やサロンの再来店を促すための効果的な施策を以下で紹介します。
リピート施策の例
- ターゲットを明確にして集客する
- コースメニューを作る
- クーポンの値段を下げすぎない
- 接客マニュアルを共有する
- 施術後に次回予約を取る仕組みを作る
- 来店後もコミュニケーションを取る
新規のお客様の集客には費用がかかるため、リピート率が増えれば、安定した経営ができます。
90日間で新規顧客30%、既存顧客70%という数値が、全国の美容室の平均値ですので、この数値を基準にするとよいでしょう。
リピート率は、「リピート率(%)=リピートした顧客数(人)÷新規顧客数(人)×100」で求められます。リピートしてくれる層と出会うためにも、ターゲットを明確にした上でマーケティングを行う必要があります。
来店動機が値段の場合は、もっと安い美容室を見つけたら次から来てもらえなくなるため、クーポンは次回予約の特典で活用するといった工夫が重要です。
来店後のコミュニケーションならLINEですし、新規集客ならInstagramなど、SNSでも使う用途の棲み分けが必要です。
美容室のリピート率アップには、そのサロンにあった施策にしていくことが重要!この施策をやったからといって効果が出るとは限らないのが難しいところです。
個別に施策を考えていきたいという方は、一度僕に相談してみてください!以下のLINE、メール、電話からお問い合わせできます。
美容室経営の特徴を押さえたマーケティングを
美容室の店舗経営は、美容師が稼働して利益を生み出す労働集約型ビジネスです。どうしても美容師の稼動量が売上の上限になってしまうという問題は切っても切れません。
そのため、いかに多くの顧客に対応するか、客単価を上げるという思考になりがちです。
しかし、顧客の対応数を増やすと美容師さんの負担が大きくなり、離職や疲弊の原因に。客単価を上げる動きをすると、既存顧客が離れるという懸念もあるでしょう。
顧客単価が高いメニューに絞って新規集客したり、集客ターゲットを変えずに、オペレーションを最適化するなど、現状を踏まえて戦略を考えるようにしてください。
一方、労働集約型モデルである美容室・サロンだけではなく、資本集約型モデルとなる別事業を立ち上げて売上を上げるという選択肢もあることを知っておいて欲しいです。
美容室・サロンと相性の良い事業で、美容室・サロンの限界をカバーしつつ、売り上げアップを期待できます。
OEM BANKならマーケティング戦略の幅を拡げられる
弊社ONLY PRODUCTSのサービスであるOEM BANKは、美容室やサロンの事業に加えて、プロフェッショナルブランド事業を立ち上げる支援をします。
プロフェッショナルブランドは、真に求められる商品を現場に立つプロが作り上げるブランドです。
お金の知識、マーケティング、商品の企画・製造まで、ブランド商品の販売に関わる全てがワンストップで完結します。さらに、事業開発の段階で出口戦略(M&A)まで考えて伴走します。
プロフェッショナルブランド商品を販売するためには、法人化の理解や、経営者のお金の考え方・捉え方の変革も必要です。そのため、他社では難しい事業の立ち上げから成功までをしっかりと伴走します。
プロフェッショナルブランドの事業で売り上げを上げつつ、美容室・サロンは顧客満足度の向上に注力するなど、マーケティング戦略の幅も広げられます。
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